業務災害保険(上乗せ労災)とは?加入するべき?

事業をされていると、労災保険以外にも民間の上乗せ労災に入った方が良いというような話をよく聞かれると思います。

実際周りの企業が入っていたり、取引先からの加入要請もあります。

今回はそういった話題を理解して頂くよう、

業務災害保険の内容や労災保険との違いについて解説します。

上乗せ労災とは

上乗せ労災とは、労災保険で補償される範囲を超えて、雇用主が自主的に設けた補償制度のことを指します。つまり、労働者が労災保険の補償範囲外の事故や疾病に遭った場合、雇用主がその被害を補償することで、労働者の健康や生活を守るための制度です。

例えば、労災保険ではカバーされないストレスによる心身疾患や、交通事故による傷害、地震や火災などの自然災害による損害に対して、上乗せ労災で補償を行うことができます。上乗せ労災は、会社の規模や業種、労働者の職種や雇用形態に応じて、自由に制度を設定できます。

上乗せ労災は、労働者の健康や生活を守るために非常に重要な制度であり、企業が積極的に導入することが推奨されます。また、労働者にとっても、会社の補償制度がしっかりとしていることは、安心して働くための大きな要素となります。

業務災害保険に入るメリットとデメリット

【メリット】

  1. 労働者を保護するための最低限の義務を果たせる
  2. 労働者が業務中に怪我や病気をした場合、労災保険だけでは補償が不十分な場合があります。会社が支払う補償がなければ、労働者は大きな経済的負担を強いられます。業務災害保険に加入することで、最低限の保護を提供できるため、企業の社会的責任を果たすことができます。
  3. 企業イメージの向上 従業員が安心して働ける環境を整備することで、企業イメージが向上します。また、事故が起きた場合には、適切な対応ができることが評価され、企業の信頼性が高まることもあります。
  4. 法令遵守 労働安全衛生法によって、労働者を保護するための最低限の義務が会社に課せられています。業務災害保険に加入することで、労災保険に加え、法令遵守によりコミットできます。

【デメリット】

  1. 業務災害保険に加入するためには、保険料が必要です。また、保険料は事業規模、職種、業務内容によって異なるため、負担が大きくなることもあります。
  2. 補償範囲が限られる 労働者が業務中に負傷した場合には補償があるものの、自宅で足を滑らせて怪我をした場合などは補償されません。また、保険金額の設定をしっかり考えておかないと、補償額が十分でない場合もあります。
    但し、これらのデメリットは適切な保険金額の計算と特約によりカバーすることができますので、保険の専門家にご相談することをおすすめいたします。

労災事故でよく起こる事例

労災事故には様々な種類がありますが、一般的によくある事例を5つ挙げると以下のようになります。

  1. 転倒や転落:作業中に足場が崩れたり、段差や階段で転倒したりして、打撲や骨折などの怪我を負うケースがあります。
  2. 機械・道具の事故:工場や建設現場などで、機械や工具の誤使用や故障によって怪我を負うケースがあります。切断機や圧縮機などの重機を扱う作業員は特に注意が必要です。
  3. 化学物質による事故:化学工場や研究所などで、有害物質に触れたり吸い込んだりすることで中毒症状や皮膚炎などを発症するケースがあります。
  4. 交通事故:仕事で車やバイクなどを運転する際に、交通事故に遭うケースがあります。特に運送業やタクシー業など、運転が業務の一部となる職種はリスクが高いと言えます。
  5. 心身による事故:ストレスや過労、心的外傷などによって、心身に障害を抱えるケースがあります。長時間労働や過重労働が原因となることが多いです。

これらの事故を防ぐためには、労働環境の改善や安全教育の徹底、適切な労働時間の確保などが必要です。また、事故が発生した場合には、適切な処置や医療措置を講じることが重要です。

まとめ

労災保険には法律で加入が義務付けられており、労働者が業務中や通勤中に事故や疾病に遭った場合に補償金が支払われます。そのう上で、業務災害保険(上乗せ労災)に加入することで、企業イメージの向上や法令遵守ができるなどのメリットがあります。

上乗せ労災に加入すると、国の労災保険で補償されない部分まで補償することができます。上乗せ労災は、労働者に対する企業の責任を果たすことができ、労働者が安心して働くことができるメリットがあります。

しかし、上乗せ労災に加入することで保険料が上がることがあるため、コスト面のデメリットもあります。また、労働災害が発生しない限り、実質的なメリットは得られないという点も考慮する必要があります。

結論として、上乗せ労災に加入するかどうかは、企業のリスクや労働環境、労働者の健康状態などを総合的に考慮して判断する必要があります。労働災害の発生リスクが高い場合や、労働者の安心と健康を重視する企業であれば、上乗せ労災に加入することが適切であると言えます。

リスク診断や適切な補償のご相談は弊社で承っておりますので、ぜひお気軽にお電話、メールにてお問合せ下さい♪

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