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中小企業の経営リスクとは?おさえておくべき5つのポイント
兵庫県内で中小企業を経営されている皆様にとって、日々の業務に追われる中で「企業リスク」についてじっくり考える機会は少ないかもしれません。
しかし、予期せぬトラブルが経営に与える影響は小さくありません。特に近年は、自然災害やサイバー攻撃、労働環境の変化など、時代とともにリスクの内容も多様化しています。
この記事では、兵庫県内の中小企業が直面しやすい代表的なリスクを5つ取り上げ、それぞれの概要と対応のヒントをご紹介します。
1. 自然災害リスク(地震・台風・水害)
兵庫県は南海トラフ地震の影響が懸念されており、阪神・淡路大震災の記憶も新しい地域です。また、近年は台風の大型化やゲリラ豪雨の頻発により、水害リスクも高まっています。
実際の例:
神戸市内のある中小製造業では、2018年の西日本豪雨により工場の一部が冠水。生産停止が約1週間続き、納期遅延による信頼低下と損失が発生しました。
対策のヒント:
・建物や設備の耐災性を確認し、必要に応じて改修や移転を検討する。
・BCP(事業継続計画)の策定と社員への周知を行う。
・地域のハザードマップを活用し、想定リスクを「見える化」する。
2. サイバー攻撃・情報漏えいリスク
サイバー攻撃は大企業だけの問題ではありません。中小企業も標的型メール攻撃や不正アクセスの被害を受けるケースが年々増えています。
実際の例:
兵庫県内の建設会社で、従業員が受信したメールの添付ファイルを開いたことでウイルス感染。顧客名簿や見積書データが外部に漏えいし、取引先からの信頼を失いました。
対策のヒント:
・ウイルス対策ソフトやファイアウォールを最新の状態に保つ。
・従業員に対して定期的なセキュリティ教育を実施する。
・重要データはクラウドに自動バックアップするなど、復旧策も準備する。
3. 労務トラブル・人材定着リスク
働き方改革やハラスメント防止が求められる中、労使間のトラブルが企業経営に影響を及ぼすケースも少なくありません。
実際の例:
姫路市の製造業で、元従業員から残業代未払いで訴訟を起こされ、労基署の調査やマスコミ報道に発展。結果として求人応募が激減しました。
対策のヒント:
・就業規則の整備と、労働条件通知書の確実な交付。
・社内の相談窓口を設置し、早期の問題発見を図る。
・働きやすい職場づくりの一環として、柔軟な勤務制度の導入も検討する。
4. 取引先の倒産・売掛金回収不能リスク
中小企業では売上の大部分が特定の取引先に集中していることがあり、その取引先の経営不振は自社にも大きな影響を与えます。
実際の例:
明石市の印刷会社で、主要取引先の倒産により500万円以上の売掛金が未回収に。運転資金が不足し、自社の人件費支払いにも支障が出ました。
対策のヒント:
・新規取引時には信用調査を行う。
・取引先の経営状況を定期的にチェックする。
・売掛金を一定額以上にしないよう社内ルールを設ける。
5. 経営者の病気・事故などによる事業停止リスク
中小企業では経営者が実務の大部分を担っていることが多く、急な病気や事故によって事業が止まってしまうことも。
実際の例:
高砂市のサービス業では、社長が急病で長期入院。営業や契約業務が滞り、半年で顧客の3割が離脱しました。
対策のヒント:
・経営者の健康管理に加え、幹部や後継者への業務移管を進める。
・経営者不在時の対応マニュアルを作成する。
・経営承継に向けた準備を早めに開始する。
まとめ
このように、中小企業には多種多様なリスクが潜んでいます。大きな被害に遭う前に、「自社にはどんなリスクがあるのか?」を洗い出し、できるところから対策を始めることが重要です。
本記事でご紹介した内容が、少しでも皆様のリスク管理の参考になれば幸いです。
※この記事は情報提供を目的としたものであり、特定の保険商品やサービスの勧誘を行うものではありません。リスク対策についてのご相談は、各分野の専門家までお願いいたします。